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3日前の晩ご飯

かっこよく言うと『軌跡』です。 ふつうに言うと『日記』です。 要約して言うと『牧場の藁屑』です。

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「好き」と「独占欲」



「履き違い」と「勘違い」





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「後、もって・・・三ヶ月でしょう」
その日。俺と遥に告げられたタイムリミットは、あまりにも短かった。


「三ヶ月、か。思ったより短かったね」
「ああ」
「花見、出来そうにないね」
「ああ」
「海も、一緒に行こうって約束したのに。ごめんね?」
「ずっと一緒にいるって言ったのに、ごめんね?」
我慢できなくなった。今まで重ねてきた約束に、泣き笑いみたいな顔で謝る遥が、見ていてすごく痛々しかった。
「わかってた、ことだから」
抱きしめた体は、思いの外細くて、壊れそうで。辛くないはずないのに、苦しくないはずなのに。俺に心配かけまい、と。気を使って、発作の苦しさも我慢していた事を知った。初めから、わかってたことだから。なんて。期限付きの恋愛だったなんて、そんなこと。言いたくないのに。
「最期まで、一緒にいるから」
「・・・うん」
死なせない。そんな奇跡に頼り切った言葉を言うには、遥の現実は重すぎた。遥の生を諦めることしか出来ない自分が、殺してやりたいほど歯がゆい。

「・・・約束、叶えよう」
寒空の下。遥の体に悪いってわかっていても、自分の腕の力を緩められずに、無言で抱きしめ続けた俺に、遥はそう言った。
「今からさ、叶えに行こう」
「でもっ・・」
「後悔、したくないの」
どうせ死ぬなら、思いっきり楽しんだ後が良い。そう言う遥に、俺は頷くことしか出来なかった。。



「咲いてないねー」
そう言いながら、枯れ木の下で弁当を広げ出す遥。来年の春も、一緒にここで花見をしよう、約束したのは初めて手をつないだ日。
「そりゃ、そうだろ」
あの日から、一週間。心の悲しみを取り繕うことを覚えた俺は、以前と同じように遥に笑いかけること出来るようになった。
「ってか、外で食うとか寒くね?」
「えー、楽しいじゃん」
コンビニで買ってきた弁当と甘酒で、早すぎる花見。本当は寒くなんかないのに、こんな事を言ったのは、きっと沈黙を気まずく感じてしまったから。黙って俺を見る遥の目に、居心地の悪さを感じてしまったから。
「おいしい?」
「ああ」
俺が食べるのを嬉しそうに見つめる遥は、箸を持っていない。弁当も甘酒も、最初から一人分しか買ってこなかった。「・・・吐いちゃうから」そう言って、遥が普通の食事を諦めたのは、本当につい最近のこと。

マフラーを巻いた子ども達が、公園中を走り回って遊んでいる。キャーキャーと歓声を上げながら、鬼になった子から逃げ回っている。
「あの頃は・・・さ。まだまだ生きられるって思ってた」
楽しそうに走り回る子ども達を眺めながら、遥はそう言った。
「楽しかったなあ」
その頃の遥を、俺は知らない。俺が知っているのは、病院で検査を受けた後の遥だけ。絶望に打ちひしがれながら、屋上の隅で泣いていた女の子。死にたくない、と今はもう口にしないその言葉を、必死に叫んでいた頃の遥だけ。
「私ね、こう見えても昔は走るの速かったんだよ」
そう言って笑う遥は、もう走ることは出来ない。ほんの少しの運動すら、今の遥には毒薬と同じ。
「・・・ 逃げたいな」
そう言ったのは、現実からか、死からか。どちらにせよ、俺が連れて逃げる、と言えないのは。俺が涙が出るほどの健康体で、遥の苦しみなんてわからないから。だって、俺は今でも分からないんだ。「好きだ」と言った俺に、全力の拒否を示したあのときの遥の心情が、俺にはまだ分からない。
「好きだよ」
そう言ってまた抱きしめて。体温の低い君に、すこしでも俺の温もりが移ればいいのに、なんて誤魔化してみた。後悔はしないと言った俺は、全然後悔してないけど。でも、後悔させないと誓った遥は、本当は後悔しているのかもしれない。俺が、遥のそばにいて。遥を縛り付けて、遥は苦しくないのだろうか。
「私、後悔してないよ」
俺の心を見透かしたように、腕の中の遥はそう言った。




+++

「後悔するよ」
溢れ続ける想いを抑えきれなくなって告白した俺に、遥は冷たい目を向けた。
「絶対後悔しない」
後悔するはずがない。好きで好きでどうしようもなくて。イイヒトを演じるのだってもう無理だ。これから待ち受ける未来がどれだけ辛いものだとしても、俺は遥と一緒にいたい。残された時間が、どれほどのものが知らないけど、俺は側に居たいんだ。
「アンタが後悔しなくても、私は後悔する」
無理をしているのは、目に見えてわかった。泣きそうになりながら、震えながら。それでも遥は俺を拒否した。
「おれが、させないから」
強がりだった。見栄だった。後悔させない、なんて。どんなに俺が遥に尽くしても、そのことが遥の重荷になるのに。それでも手に入れたいと願った俺は、遥を望んだ。
「おいていきたくないのっ」
頼むから近づくな、と遥は叫びながら俺から逃げる。こんな冷たい病院で、硬いコンクリートの屋上に座って、一人で泣き続ける遥はすごく弱いのに。俺はいつでも遥のそばに居るのに、・・・どんなに辛くても俺を頼ったりしない遥は意地っ張りだ。
「・・・傷つきたくない」
俺が守るから。遥を傷つけるスベテから、俺が守るのに。
「俺は、遥が好きだよ」
そう言って、俺は泣き崩れる遥の手を取った。

すべては俺のカンチガイ。俺が遥の手を取らなければ、遥はもっと安らかに死ねたのに。そのことに気づいても遥の手を放すことが出来ない俺は、遥にとって重荷でしかない。傷つきたくない、と言った遥の言葉の意味を、俺は汲み取ることが出来ない。



傷付きたくない。傷つけたくない。自分の死を悲しむ俺を見て、傷付く俺を見て。そのことに傷付きたくない。俺を、悲しませたくない。





+++

「だからね、後悔しないで」
遥はそう言うと、俺の腕の中で振り返り、キスをした。初めて触れた遥の唇は、遥の体よりもずっと冷たくて。俺の温もりを奪っても、それでもまだ凍えそうなその体温に、涙が溢れた。
「私ね、幸せだよ」
急に泣き出した俺に吃驚したような顔を向けながらも、遥はそう言った。どうして、どうして遥なんだろう。側に居たいだけなのに。幸せになりたいだけなのに。遥さえ居れば、俺は何も望まないのに。どうして、遥なんだろう。溢れる涙は止まらなくて、伝えたい想いは、うまく言葉にならない。
「ず、っと・・・俺は、側にい るから」
「うん」
「あいしてる」
「・・・・・・私ね。後悔なんてしてないから。未練なんて何もないから」
だからね、
「遥が望むなら―・・・」
病気なんかに奪われるくらいならいっそのこと。そう思ったのは俺だけじゃなかった。





「後悔、してない?」
家から持ち出してきた包丁を片手に、遥に尋ねた。
「するわけない」
決意を決めた遥は、真っ直ぐな目で俺を見た。
楽になりたい、遥は俺の耳元でそう言った。大丈夫だから、苦しさなんて感じさせないから。俺もすぐに逝くから。
「あいしてる」
そう言って、遥の胸に刃を刺した。痛みなんて感じさせたくなかったのに。弱すぎる俺の手には、遥の死に怯え力が入らず、遥は苦しそうに喘ぐ。ごめん、ごめん。と謝るばかりで力を込めようとしない俺。俺は、なんて弱いんだろう。自己嫌悪と罪悪感と。それでも手に力が入らない。遥は震える俺の手を取ると、自分の胸に深く沈めた。
「 わ、たしの為に」
自分にも刺すために、包丁を抜こうとする俺の手を止めて、遥は息絶え絶えに話し始めた。
「わらって、生き・・・て?」
「は、・・・るか?」
連れて逝ったらきっと後悔するから、と。俺に生きろと言う残酷な遥。
「こうか、い・・・させないで」
そんなこと言われたら。俺は後を追えないのに。遥はそれをわかっていてそう言う。遥に「後悔させない」とそう誓ったのは。俺だ。その誓いを覚えているから。遥に尽くすことでしか、自分の罪悪感を誤魔化すことの出来ない俺を知っているから。遥は俺を置いて一人で逝こうとする。一緒に逝こうと言ったのに。・・・いや、遥は始めから自分が死ぬことしか話さなかった。「だからね、・・・殺して」と遥は俺にそう頼んだダケだ。俺も一緒に死ぬと言ったとき、遥は肯定も否定もしなかった。
「あ、いしてる・・・ よ。ずっ、と」
「   」

だから、生きて。と。最期に俺の名前を呼んで、遥は一人で死んだ。俺に遥の死を背負わせて、笑って死んだ。



なぁ、お願いだから。もう一回俺の名前、呼んで?胸の痛みに耐えきれなくて、今にも崩れ落ちそう、だなんて。自分で言う事じゃないのはわかってるけど。でも、もう限界なんだ。もう、・・・無理なんだ。どんなに虚勢張ったって。君の願いの為だとしたって。独り、なんて寂しいんだ。君の為なら何だってするって誓ったけど。でも、もう冷たい灰になった君の為に笑う事なんて、俺には出来ない。
一回、あと一回だけで良いから。俺の名前、呼んで?そしたら、駆けつけるから。君との誓い破ってでも、今すぐ君の所に駆けつけるから。








 遥が死んで一ヶ月。やっと、空から遥が俺の名前を呼ぶのが聞こえた。


あの日に戻ろうとした

見上げた月が同じだったから




川沿いの落とし物

見つけたら貴方に会えますか?




月明かりに照らされて

血の花びらが舞った夜





もう一度だけ夢をみさせて


もう一夜だけ、貴方に会わせて
昨日に溺れた独裁者。


いつまで経っても夢物語。

明日に向かって泳ごうともしない。


美人な奥さんを100人侍らせたって。

100人の浮気相手は優秀な臣下。


息の仕方も忘れてしまって。

昨日の底に沈んでいった。


誰も来ない謁見室。

待っているのは処刑の知らせ。


一昨日慕われた独裁者。

昨日の夢に溺れてばかり。

今日は臣下に石を投げられ。

明日は民に忘れられる。




昨日に溺れた独裁者。


少女が供えた1輪の花。

会いたい、と何度も願った。雨が降り続く夜は、少しだけあなたに近づけた気がした。


雨上がりの彼岸花。

水滴の一つ一つが血に見えた。


あなたが流した血の数だけ、涙を流してあなたを想う。


あなたを想って、赤い涙を流しましょう。



枯れぬ想いを涙に載せて、私はあなたを忘れていく。


高校三年生だった。受験勉強に追われ、未来への希望なんて何もないまま、ただ勉強ばかりをしていた。成績が伸び始めた友だちを脅威に思いながら、競うように遅くまで塾で勉強した帰り道。サイコロを見つけた。
街灯の下、まるで拾ってくれと言っているかのように落ちていた。誘われるままにサイコロに手を伸ばした。親指の先ぐらいの大きさの小さなサイコロ。アスファルトの上とはいえ、地面に落ちていたのに、砂埃一つ付いていない。

サイコロを振ったつもりはなかったんだ。ただ、拾ったって要らないのだから投げ捨てようとしただけ。数回転がった後、六の目を上に向けてサイコロが止まるのと同時に、目の前が真っ白になった。


それが、俺の人生ゲームの始まり。



頭の中に直接響く声に起こされて、目が覚めた。手に感触があって、見てみると先ほどのサイコロ。小さいのに、俺の手の中で妙な存在感を放っていた。
耳を通さず、直接脳に働きかけている声。少し甲高くて耳に障るその声は、自らを〝神〟と名乗った。曰く、これは〝ゲーム〟であり、〝暇潰し〟なのだ、と。
『六の目が出たからね、始まりは六歳から。サイコロを振って前に進めよ』
目の前に現れたパネルには、このゲームの説明と最初の分岐が書かれてあった

〈最初の分岐〉家族構成を決定します
偶数・・・母親(病弱)、妹(六歳年下)
奇数・・・父親(社長)、母親(浮気癖)、兄(六歳年上)

俺は、サイコロを振った。
『さあ、人生ゲームの始まりだ。俺を退屈させるなよ?』
逃げられないのなら、楽しめば良い。どうせこれは〝ゲーム〟なのだから。




●○●○
ほら、冒頭だけでも載せたらさ。ちょっとは書く気が増すかな、って。
勉強せないかんのは分かっとるけど、コレは書きたいんですよ。
夏の終わり、蝉の声もいつのまにか聞こえなくなった。

まだまだ暑いけど、キャミで過ごすのはちょっと季節外れになった頃。

半袖短パンで寝転んでいると、急にかき氷が食べたくなった。


台所の棚をあさる。見つけたのは、アンパンマンのかき氷器。

箱に積もった埃を払って中身を出す。

冷凍庫から氷を取り出して、ガリガリ


ガリガリ





ガリガリ



当然、シロップなんかない。

ジャムを目当てに冷蔵庫を空けると、目的のものの代わりに、ポッカ100レモン。


これでも良いか、と振り掛けた。



甘くならないじゃん、と取り出したのは、コーヒー用の砂糖。グラニュー糖。





パク。




檸檬味には程遠い、

なんとも言えない不思議な味。




とりあえず

美味しくはなかった。


肩胛骨は健康骨と書くと思ってました。「ろっこつ」と「あばらぼね」は別物だと思っていました。
Since 2007.06.18
脳内エンドレス


卒業したら就職して、結婚して子供産んで、スーパーのレジ打ちでも良いから仕事を続けて、よぼよぼのおばあちゃんになってから死ぬのが夢です
since 2008.05.11
ムラサキ


ビフィズス菌になりたい
since 2009.04.03
ぶひひの祭り


多分、何も変わらない。だって常に背伸び状態だもん
since 2009.09.19
はいひーるで背伸び

飛び込めぱっぱら
後ろ向きに灰キック
とぉーうっ!!
どーんぐにゃどぉん。にゃー
くらえっ、虹彩からメガトンビーム!!

あー疲れた
since 2010.12.26
アクロバティックにアフロに飛び込む

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実はブルマ穿いてます。

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